2006年9月11日

ブッシュ大統領が、同時多発テロ5周年を前に、CIAの秘密収容所の存在を認めたことは、これまでこの問題に関するコメントを避けてきたブッシュ政権の旗色が、一段と悪くなっていることを示しています。またドイツのメルケル首相は、昨日アル・カイダの幹部らテロ容疑者が起訴もされないまま、弁護士もなくグアンタナモ収容所に収容されていることは、「法の精神にもとる」として、収容所の即時閉鎖を求めました。この発言は正しいと思います。テロに対する戦争とはいえ、あらゆる法律を無視した対抗措置が許されるわけもありません。特に拷問によって引き出された自白は、本来は裁判で証拠能力を持たないはずです。同時多発テロ以降、「正義を重んじる法治国家アメリカ」というイメージは崩れましたが、早く汚名回復への道を歩み出してほしいものです。